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淡雪

第19章 危険なガーディアン

スタジオに現れた俺を見て
皆が息を飲む。
俺は璃子によって完全に仕上げられていた。

エロくドSなフェロモン男

スーパーモデルでさえ一瞬息を飲んだ。

撮影用のシルクのバスローブを着たモデルが
鏡台に座る。

「じゃあ、田村くん好きに動いてみて」

監督の声を合図にカメラが回る。

俺はモデルの後ろに立ちそっと抱き締めるところから始めた。

モデルの体が一瞬震える。
構わず舌を出して鏡の中のモデルに見せつけるように瞼を舌で舐めあげた。
ビクンと肩を竦めたモデルは口端を上げて目を開けると俺を挑戦的に見つめる。

しばらく待って監督に目で合図する。


「カット!」

俺はモデルから離れる。
一瞬の静寂。


「シャドー入れて」

監督の声に慌てて動き出すメイキャッパー達。

モデルの瞼にシャドーがのせられる。
化粧品のCM とはいえファンデーションだけのほぼスッピンで出るモデルなどなかなかいない。スッピンで耐えられる表情が出来るのはやはり求められたことを忠実にこなすスーパーモデル達だけだろう。デザイナーが化粧をするなと言えば例えパリコレだろうとスッピンでステージに立つ。

さすがにスーパーモデルは違うなと、差し出されたお茶を飲みながら
他人事のように化粧を施されるモデルを見ていた。


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