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淡雪

第19章 危険なガーディアン

俺もモデルもそうそうスケジュールに空きはない。何日も拘束すれば余計な金もかかる。

撮影は一気に早朝から深夜に及ぶ。

休憩を挟んで【帰宅編】の撮影


モデルが部屋に帰ってきてハイヒールを脱ぎ捨てる。

俺はモデルの腕をつかみ壁に押し付ける。
モデルの顔の至近距離で

「お前の化けの皮剥がしてやるよ」

後頭部を押さえ容赦ないDEEPキスを繰り出す。
モデルの女も挑発にのって二人の唇からは濃厚な水音が響き、俺の唇は女の真っ赤なルージュが移って卑猥この上ない。

突然モデルの膝の力が抜け、咄嗟に腰に腕を回し体を支える。


監督に目で合図するがなぜかなかなかカットがかからない。


ーー仕方ないな...


モデルを抱き抱えながら床に横たえ自分の下にモデルを組み敷く。上からモデルに向かって

「今日の嫌な出来事も全部キレイにしてやるよ」

そう言って首筋に唇を這わせながら
モデルの服を脱がせにかかる。


「カット!! オッケー」


やっと監督の声が聞こえた。


俺はふぅーっと大きくため息をついた。
俺の下にいたモデルの手をつかみ立ち上がらせる。
モデルは少し興奮した顔をしている。

ーー無理もないよな

仕事とはいえ人前でこれだけ派手なキスシーンを披露するなんてなかなかない。


モデルを立ち上がらせると俺は監督に歩み寄る。


「なかなかカットがかからなかったですね」

監督はニヤリとして

「見惚れてた」

と言った。


ーー … オイ







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