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淡雪

第19章 危険なガーディアン

璃子のいるベッドルームの扉を開ける。


ベッドに腰掛け璃子の髪を撫でた。


言葉が出てこない...


「ゲストルーム使っていいか?」


璃子は驚いた目で俺を見つめた。


「でも、向こうの部屋は...」


「ベッドが使えればそれでいい」


俺は璃子の額におやすみのキスをして立ち上がった。


箱だらけの部屋。
ベッドの上は辛うじて難を逃れていた。


頭の後ろに手を組んで天井を見上げる。


ーーなんで抱けないんだ

俺は唇を噛み締めた。


結局一睡も出来ないまま
まだ夜が明けきらないパリの町を出て
俺はカンヌへと向かった。


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