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淡雪

第1章 15の春

「じゃ、田辺くん僕はサスケの現場に行ってくるよ。終わる頃迎えに来るから」


「え?川名さんついててくれないんですか?」


「悪いんだけど、サスケのM フェアの衣裳が違ってるらしくて届けなくちゃいけないんだ。
 
 終わったらすぐ戻るから」


不安な僕を残して川名さんは足早に出ていった。


「大丈夫よ。さ、座って」


僕を笑顔で促す彼女


「はい」


僕は言われるまま鏡前に座る。


「えっと、田辺准一くん

 たしかX7のメンバーよね」


「あ、はい。そうです」


「私は槇 璃子(まき りこ)宜しくね」


鏡越しに彼女は屈託のない笑顔を向けた。


彼女の笑顔が眩しくて一瞬目を閉じた。


アイドルの俺なんかには真似できない心から自然に涌き出る笑顔。



眩しすぎた。






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