淡雪
第19章 危険なガーディアン
「はじめまして
私、ハリウッドのキャスティングディレクターをしている棚橋陽子と言います」
日本人か...
「はじめまして。
田村凌哉です。
今日は作品を見に来てくださってありがとうございます」
俺は握手を求めた。
俺の握手に応えながら相手は話を続ける。
「今回、冷酷非情な役が出来る日本人の役者を探してほしいと依頼を受けて探していたんだけど
どうかしら、田村さん
オーディション受けてみない?」
俺は一瞬戸惑った。
「先程の映画見たんですよね」
「ええ」
相手は微笑む。
「それで依頼を?」
「いえ。
悪いけどこの作品のあなたに興味はないわ」
「じゃあ なぜ?」
棚橋という女性は口許に手を当てて少し笑った。
「実は昨日、ホテルのラウンジであなたが女性と口論してたのを見たの。
面白かったわ。
そして今日ホテルから出てきたあなたを見かけた。
物凄い不機嫌なオーラを全身に纏って
なのにとてもセクシーなのよ。
目が離せなかったわ。
だからあなたに声をかけたの」
俺は言葉がでなかった。
「今のあなたならやれると思う。
どう?
考えてみて」
女性はハンドバッグから名刺を取りだし俺に差し出した。
「確かあなたはJ事務所所属よね。
ちゃんと話は通すから心配しないで」
俺はもらった名刺を見つめていた。
英語で書かれた名刺。
住所はハリウッドになっている。
「明日10時にホテルのラウンジで待ってるわ。
いい返事を期待してる」
棚橋さんはにっこり笑って監督に軽く頭を下げて会場から出ていった。
私、ハリウッドのキャスティングディレクターをしている棚橋陽子と言います」
日本人か...
「はじめまして。
田村凌哉です。
今日は作品を見に来てくださってありがとうございます」
俺は握手を求めた。
俺の握手に応えながら相手は話を続ける。
「今回、冷酷非情な役が出来る日本人の役者を探してほしいと依頼を受けて探していたんだけど
どうかしら、田村さん
オーディション受けてみない?」
俺は一瞬戸惑った。
「先程の映画見たんですよね」
「ええ」
相手は微笑む。
「それで依頼を?」
「いえ。
悪いけどこの作品のあなたに興味はないわ」
「じゃあ なぜ?」
棚橋という女性は口許に手を当てて少し笑った。
「実は昨日、ホテルのラウンジであなたが女性と口論してたのを見たの。
面白かったわ。
そして今日ホテルから出てきたあなたを見かけた。
物凄い不機嫌なオーラを全身に纏って
なのにとてもセクシーなのよ。
目が離せなかったわ。
だからあなたに声をかけたの」
俺は言葉がでなかった。
「今のあなたならやれると思う。
どう?
考えてみて」
女性はハンドバッグから名刺を取りだし俺に差し出した。
「確かあなたはJ事務所所属よね。
ちゃんと話は通すから心配しないで」
俺はもらった名刺を見つめていた。
英語で書かれた名刺。
住所はハリウッドになっている。
「明日10時にホテルのラウンジで待ってるわ。
いい返事を期待してる」
棚橋さんはにっこり笑って監督に軽く頭を下げて会場から出ていった。