淡雪
第19章 危険なガーディアン
「どうやら幸運の女神が舞い降りたようだな」
監督が笑って俺の背中を叩く。
「俺...」
「田村、チャンスを逃がすのか?
自分から掴みに行け。
俳優だろう?」
「監督...」
俺は監督を見つめた。
「田村、俺はお前の殻を破りたかった。
だからこの映画も敢えて脇役でオファーしたんだ。
なのにお前ときたらみんなが望む
“アイドル田村”を抜け出すことが出来ない...
まあ、お前の出てる作品だからな上映すればそれなりの興業収入は見込めたさ。
だけど監督としての俺はこれを俺の作品だと世間に売り出すことは出来なかったんだよ。
敢えてカンヌに持ってきたのは
俺には出来なかった新たな田村を世界に買って欲しかったから。
あとは出演者とスタッフへの罪滅ぼしかな。
俺のわがままで上映しなかったから」
監督は照れ臭そうに笑った。
そして含むような顔つきで
「君の専属は俺の依頼通りに見事にお前を引き出した。
凄い女だ。」
監督は笑っている。
...監督の 依頼?!
ーーアイツ俺を嵌めやがった!!
「田村、騙されてみるのも必要だ
そのお陰で君は“アイドル田村”の呪縛から解き放たれる。
挑戦してみろ。
まだなにも決まっちゃいない。
チャンスを貰っただけだ。
掴みに行け」
俺は手の中の名刺を見つめ
監督に深く礼をした。
「この恩は、必ず」
俺は会場を駆け出しホテルを目指した。
監督が笑って俺の背中を叩く。
「俺...」
「田村、チャンスを逃がすのか?
自分から掴みに行け。
俳優だろう?」
「監督...」
俺は監督を見つめた。
「田村、俺はお前の殻を破りたかった。
だからこの映画も敢えて脇役でオファーしたんだ。
なのにお前ときたらみんなが望む
“アイドル田村”を抜け出すことが出来ない...
まあ、お前の出てる作品だからな上映すればそれなりの興業収入は見込めたさ。
だけど監督としての俺はこれを俺の作品だと世間に売り出すことは出来なかったんだよ。
敢えてカンヌに持ってきたのは
俺には出来なかった新たな田村を世界に買って欲しかったから。
あとは出演者とスタッフへの罪滅ぼしかな。
俺のわがままで上映しなかったから」
監督は照れ臭そうに笑った。
そして含むような顔つきで
「君の専属は俺の依頼通りに見事にお前を引き出した。
凄い女だ。」
監督は笑っている。
...監督の 依頼?!
ーーアイツ俺を嵌めやがった!!
「田村、騙されてみるのも必要だ
そのお陰で君は“アイドル田村”の呪縛から解き放たれる。
挑戦してみろ。
まだなにも決まっちゃいない。
チャンスを貰っただけだ。
掴みに行け」
俺は手の中の名刺を見つめ
監督に深く礼をした。
「この恩は、必ず」
俺は会場を駆け出しホテルを目指した。