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淡雪

第20章 スターの代償

シャロンに声をかけられスタッフルームへ消える璃子。
俺は彼女をずっと目で追いかけていた。


「君はいい表情をする」

振り向くとDioの社長が立っていた。


「そんなにリコが欲しいか?」


「ああ」


「君は璃子に狂いすぎて憎しみさえ抱いているように見えるが」


「... 」


「芸術家というものは何かが欠けていないと成功しない。

 幸せで満ち足りたものに芸術など描けない。

 それはアクターもモデルもデザイナーも同じ」


俺は黙って話を聞いていた。


「リコを手にいれても幸せにはなれないが

 それは分かっているのか?」


俺はフッと笑った。


「前にも言ったはず。

 俺は選ばれなかった」

彼は俺を見つめた。
少し悲しげな目で...


「君のエージェントは相当切れ者のようだ。
 そして 残酷だ」


俺は怪訝な目で彼を見る。


「どういう...?」


「そのうちわかるさ」


社長は俺の肩をポンと叩いてパーティーの喧騒に入っていった。






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