淡雪
第20章 スターの代償
翌日海岸線沿いのカフェでビールを飲んでいると
携帯が鳴った。
「はい」
「田村さん?
棚橋です。
今日お会いする約束だったと思うけど」
ーー忘れていたわけじゃない...
「マネージャーから連絡がありませんでしたか?」
少し間をおいて
「あったわ。
必要なことは彼に話しはしたわ。
でも、私が会いたかったのはあなたよ」
電話の向こうで彼女が少し笑った気がした。
「すみません。
フランスに来て色々ありすぎて...
少し逃げてきてしまいました」
俺は正直に答えた。
「ふふっ 素直なのね。
そういう男性嫌いじゃないわ。
少しは落ち着いた?」
フフッと含み笑う。
「...そうですね
まだ、心がついてこないけど」
なぜか素直に吐露してしまう...
「そう。
オーディションどうする?」
彼女はゆっくりと話す。
俺はひとつ息を吐いて
「...受けてみます。
折角のチャンスですから」
彼女も電話口で小さな息を漏らした。
「ありがとう。
詳しいことはJ事務所に連絡するわ。
Jさんもこの話に乗り気になってくださったから」
「わかりました」
「多分最初のオーディションは年末になると思う。
徹底的に英語力を磨きあげてね。
言葉が通じなければオファーはないわ」
「はい」
「それで、カンヌにはいつ戻ってくるつもりかしら?」
話題を変えるように話す。
「遅くても明日には」
「時間があればもう一度会いたいわ。
あなたのマネージャーからハリウッドに来てみたいという話も聞いたわ。
その打ち合わせもしたいし」
「ありがとうございます。
是非時間を作ってください。
僕ももう一度お話をさせていただきたいです」
俺は決心した。
前に進むしかないんだ。
携帯が鳴った。
「はい」
「田村さん?
棚橋です。
今日お会いする約束だったと思うけど」
ーー忘れていたわけじゃない...
「マネージャーから連絡がありませんでしたか?」
少し間をおいて
「あったわ。
必要なことは彼に話しはしたわ。
でも、私が会いたかったのはあなたよ」
電話の向こうで彼女が少し笑った気がした。
「すみません。
フランスに来て色々ありすぎて...
少し逃げてきてしまいました」
俺は正直に答えた。
「ふふっ 素直なのね。
そういう男性嫌いじゃないわ。
少しは落ち着いた?」
フフッと含み笑う。
「...そうですね
まだ、心がついてこないけど」
なぜか素直に吐露してしまう...
「そう。
オーディションどうする?」
彼女はゆっくりと話す。
俺はひとつ息を吐いて
「...受けてみます。
折角のチャンスですから」
彼女も電話口で小さな息を漏らした。
「ありがとう。
詳しいことはJ事務所に連絡するわ。
Jさんもこの話に乗り気になってくださったから」
「わかりました」
「多分最初のオーディションは年末になると思う。
徹底的に英語力を磨きあげてね。
言葉が通じなければオファーはないわ」
「はい」
「それで、カンヌにはいつ戻ってくるつもりかしら?」
話題を変えるように話す。
「遅くても明日には」
「時間があればもう一度会いたいわ。
あなたのマネージャーからハリウッドに来てみたいという話も聞いたわ。
その打ち合わせもしたいし」
「ありがとうございます。
是非時間を作ってください。
僕ももう一度お話をさせていただきたいです」
俺は決心した。
前に進むしかないんだ。