淡雪
第20章 スターの代償
俺はカンヌへ戻り、マネージャーも同席してエージェントに会った。
年末のオーディションに向けての準備とオーディションに合格した場合を考えたスケジュール調整。
エージェントはあとはメールで連絡すると言って席を立った。
「では、チケットが取れしだいハリウッドに来てください。ホテルはこちらで手配します。
ハリウッドに滞在中の予定はこちらで組ませていただきますのでマネージャーは不要です。
何か質問は?」
俺は首を振った。
マネージャーは少し慌てていたが。
「田村さん、今のあなたなら期待できるわ」
そういうと彼女は軽く微笑みながら去っていった。
彼女が去ったラウンジで冷めたコーヒーを啜る。
隣でマネージャーが何か喚いていたが、聞いていなかった。
ーーさて...璃子のやつどうしてくれようか...
愛しいという感情は捨て去ることにした。
どうあがいても彼女は人妻であることに違いはない。そして俺が彼女をものにすることは...ないのだから。
「...少し一人で考えるか」
小さく呟くとマネージャーは怪訝な顔をした。
「これから荷物をまとめてパリへ行くよ。
少しでも早くハリウッドへ行きたいからね」
マネージャーに声をかける。
「分かった。
俺はここでバケーション!と言いたいところだけど、バレたら何言われるか分からないから一度日本に戻る。チーフやJさんとも相談しなきゃいけないし」
マネージャーは殊更大きなため息をついた。
「マネージャーなんて辞めて休みがもらえる仕事についたら?」
俺はマネージャーに嫌みな目を向ける。
「そうだな。
でも、田村凌哉のマネージャーなんてこの先の人生でも巡り会えないだろうから、もうしばらくやらせてもらうよ、悪いけど」
マネージャーは俺をみて笑った。
年末のオーディションに向けての準備とオーディションに合格した場合を考えたスケジュール調整。
エージェントはあとはメールで連絡すると言って席を立った。
「では、チケットが取れしだいハリウッドに来てください。ホテルはこちらで手配します。
ハリウッドに滞在中の予定はこちらで組ませていただきますのでマネージャーは不要です。
何か質問は?」
俺は首を振った。
マネージャーは少し慌てていたが。
「田村さん、今のあなたなら期待できるわ」
そういうと彼女は軽く微笑みながら去っていった。
彼女が去ったラウンジで冷めたコーヒーを啜る。
隣でマネージャーが何か喚いていたが、聞いていなかった。
ーーさて...璃子のやつどうしてくれようか...
愛しいという感情は捨て去ることにした。
どうあがいても彼女は人妻であることに違いはない。そして俺が彼女をものにすることは...ないのだから。
「...少し一人で考えるか」
小さく呟くとマネージャーは怪訝な顔をした。
「これから荷物をまとめてパリへ行くよ。
少しでも早くハリウッドへ行きたいからね」
マネージャーに声をかける。
「分かった。
俺はここでバケーション!と言いたいところだけど、バレたら何言われるか分からないから一度日本に戻る。チーフやJさんとも相談しなきゃいけないし」
マネージャーは殊更大きなため息をついた。
「マネージャーなんて辞めて休みがもらえる仕事についたら?」
俺はマネージャーに嫌みな目を向ける。
「そうだな。
でも、田村凌哉のマネージャーなんてこの先の人生でも巡り会えないだろうから、もうしばらくやらせてもらうよ、悪いけど」
マネージャーは俺をみて笑った。