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淡雪

第21章 陵ちゃんの幸せ

「アッッ アアアッ 」

僕の指や舌の愛撫に乱れる君

堪らない

何度夢見だろう

君の喘ぐ姿苦し気な吐息

そうずっとこうしたかった。

こうして君を僕のなかに閉じ込めて僕しか見えないように君を何度も昇らせる。

そのためにこの僕の5年はあったのだから。

もうあの頃の僕じゃない。
不安に押し潰される僕じゃないよ。
君を守るために君を手に入れるためにそれこそ地を這うような努力をして来たつもりだよ。
今なら田村くんにも負けるつもりはない。
もちろんハリウッドセレブになってしまった彼に見た目では叶わないかもしれないけど、僕の努力は決して負けていないと思う。

すべては璃子さん、君を本当の意味で手に入れるためにしてきたんだ。

あえて田村くんのそばに置いて試すようなことをした。きっと田村くんもまた璃子さんを手に入れるために必死だっただろう。
そのために事務所をやめ、日本を飛び出したことも分かってる。
しかも璃子さんの呪縛すら解いてしまったんだから。

あの時はさすがに終わったと思ったよ。
結婚なんてただの契約。
それもJさんの提案で日本での不文律。
だけど世界に出たらそんなものは関係ないから。
田村くんは明らかに璃子さんが好きだし、璃子さんももしかしたら...
だって僕たちはほとんど一緒に暮らすことも出来ていなかったんだから。

璃子さん、君が戻ってきてくれて僕がどれ程安堵したか、歓喜に震えたか分からないでしょう?

僕はお互いを貪っていた体勢を変え璃子さんを抱き締めた。

快感に呑まれ濡れた瞳を見つめる。

「お帰り、璃子」

そして口づける。
深く深く舌を沈めて
力ない君の舌を絡め愛撫する

「んん... 」

苦し気な喘ぎをあげる君


幸せすぎて
どうにかなりそうだよ




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