淡雪
第21章 陵ちゃんの幸せ
「坂井くん、今日は何時に出るの?」
俺はご飯をめいいっぱい頬張りながら璃子さんを見る
「ん?午後がら乗馬のじゅざいがあるから11時頃がな」
5年前に始まった夜のスポーツニュースの帯番組で俺はメインキャスターを務めるようになっていた。昼は取材、夜は生放送。それが今の俺のメインスケジュール。そして仕事がなければ土日は休み。サラリーマンみたいだ。
璃子さんはクスッと笑って
「そうなんだ」
と答える。
俺は鮭を口に入れ
「うまいね、これ」
「うん。お父さんとお母さん北海道へ旅行へ行ったんだって。そのお土産。あとホッケとイクラも貰ったよ」
「来たの?」
「うん。昨日羽田から来てくれたの」
「え?聞いてないよ」
「そうなの?
でも、いま言ったよ」
ニッコリ笑う璃子さん。
なんか違う気がする...
うちの親にとっても璃子さんはかわいい娘。
俺なんかどうでもよくて璃子さんに会いたいだけなのは分かってる。
口にはしなかったけど5年も帰ってこなかった彼女を心配していたのは俺の家族も一緒。
だから、帰ってきたとたんうちの家族はしょっちゅううちに来ている。
俺には会いもしないで。
俺はご飯をめいいっぱい頬張りながら璃子さんを見る
「ん?午後がら乗馬のじゅざいがあるから11時頃がな」
5年前に始まった夜のスポーツニュースの帯番組で俺はメインキャスターを務めるようになっていた。昼は取材、夜は生放送。それが今の俺のメインスケジュール。そして仕事がなければ土日は休み。サラリーマンみたいだ。
璃子さんはクスッと笑って
「そうなんだ」
と答える。
俺は鮭を口に入れ
「うまいね、これ」
「うん。お父さんとお母さん北海道へ旅行へ行ったんだって。そのお土産。あとホッケとイクラも貰ったよ」
「来たの?」
「うん。昨日羽田から来てくれたの」
「え?聞いてないよ」
「そうなの?
でも、いま言ったよ」
ニッコリ笑う璃子さん。
なんか違う気がする...
うちの親にとっても璃子さんはかわいい娘。
俺なんかどうでもよくて璃子さんに会いたいだけなのは分かってる。
口にはしなかったけど5年も帰ってこなかった彼女を心配していたのは俺の家族も一緒。
だから、帰ってきたとたんうちの家族はしょっちゅううちに来ている。
俺には会いもしないで。