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淡雪

第21章 陵ちゃんの幸せ

「陵ちゃんの結婚式、年内かな。
 彼女妊娠してるから早めにやるよねきっと」

「そうかもな」

俺は味噌汁を飲み干して箸を置いた。

「じゃあ、早めにドレス用意してあげなきゃね」

「ドレス?」

俺は聞き直した。

「うん。ウェディングドレス」

「...」

「せっかくDio に関わってるんだからマッドにお願いしようと思って」

璃子さんは嬉しそうに話す。

「マッドって、トップデザイナー!?」

「うん。」

璃子さん...

「無理だろ。
 ただでさえDio のドレスって...」

「なんでダメ?」

いや、あのね

「庶民なんだよ、うちは」

「坂井くんは庶民じゃないよ」

「ま、まあ...
 でも家族は庶民だろ」

「ん~でもね、陵ちゃん絶対Dio のタキシード似合うと思うんだよね。
 私見たいな、陵ちゃんがDio を着てるとこ」

璃子さんニヤニヤしてる
...ちょっとモヤッとする

「それは、俺もそう思う」

少しふてくされて言ってみたけど
璃子さんは全然気付かない

「決めた!」

って立ち上がって電話し始めたし。
直電してるし

飛び上がってメルシーとか言ってるし...

「マッド、喜んで作ってくれるって!」

「マジかよ...」

でも、この時気付いたんだ...
俺、璃子さんにウェディングドレス着せてあげられてないなって...




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