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淡雪

第4章 俳優 田辺准一

スタジオから拍手が沸き起こる


「いってーな准一!

 考えろよ」


大林さんが頬に手を当てて立ち上がる


「あっ!すいません

 つい本気で...」


僕は焦って大林さんのもとに駆け寄った。


「ったくよぉ…

 俺の顔に傷が残ったらお前に一生食わしてもらうぞ」


俺の肩に手をおいて冗談混じりにそんなことを言う。


「大林さん、少し傷があるくらいの方がセクシーですよ。

 任侠ものからもオファーくるんじゃないですか?」


松下さんまでそんなことを言う。


「准一、よかったよ」


大林さんは俺の肩を叩いてセットから出ていった


「誰かぁ氷のう持ってきて

 准一のやつ手加減ってものを知らねーからよ」


なんて毒づきながら。

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