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淡雪

第5章 槇 璃子

「先程もいった通り 私にも何が起こるかはわかりません。

 ですから最悪の場合の対処法を伝えています」


「そうか...」


「私が目覚めるのは明日なのか1週間後か

 もっとかかるかもしれません。


 でも、心配しないでください。


 寝ているだけですから


 監督やスタッフのかたには医師がうまく説明してくれると思いますから

 拳さんは何も言わないでください」


「わかった。


 でも、もし監督に何か聞かれたら?」


私はにっこり笑った。


「契約は無事履行しました

 と槇がいっていたと伝えてください」


「契約?」


拳さんは怪訝な顔をした。


「はい。それですべて分かります」



「そうか...」



私は深呼吸をした。


「そろそろ 始めますか」



拳さんの表情が硬くなる


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