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淡雪

第6章 坂井 賢夢

「どういう意味ですか?」


俺は渡部さんの腕をつかんでいた。


「自分が救われようなんて思ったら大間違いだ。

 それでは彼女は救われない」


渡部さんの目は冷たかった。


俺は核心を突かれたような気がして


腕を離してしまった...


「図星か...」


何も言えない。


「彼女を好きになるのと愛するのは違う。

 よく考えろ」


「......」



渡部さんは歩き出した。




好きになるのと愛するのは違う...


確かにそうだ。


俺は自分の気持ちを押し付けていただけか?!


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