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淡雪

第6章 坂井 賢夢

気がつくと俺と友達は病院の処置室で寝ていた。


友達も結構な怪我を負わされていて腕や頭に包帯を巻いていた。


『気がついた?』

近くにいた看護婦さんに声をかけられる。

『あ、はぁ...』

『君は警察のひとが事情を聞きたいって言っているから話をしてね』

友達が体を起こす。

『あ、君じゃない。

 君は頭を打っているから今日は入院ね。

 明日検査をして何もなかったら帰れるから


 そうじゃなくて、そっちの君は帰れるよ』


看護婦さんと目があった。


俺?!


だって俺ナイフで肘を刺されたんだぜ。


そう思って腕を見る。


が...ナイフで刺された傷はおろか身体中の擦り傷、アザまでが消えている...


『これは...』


『坂井、何ともないのか?

 お前、ナイフで刺されたよな』


『ああ...』


呆然と二人で俺の肘を見つめた。

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