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淡雪

第6章 坂井 賢夢

『賢夢、あの子お前の肘ずっと押さえてたよな』

『ああ...』


ぼんやりとあの時を思い出す。

確かに俺はナイフで肘を刺された。はず。


『拓也、覚えてないか?』


『それが俺もあの後すぐに頭が痛くなって気を失ったんだよな...』


『そうか...彼女はどうしたんだろう』


俺は肘に残った血のあとをみやった。



ガラガラと扉があき、制服の警官が入ってきた。


『二人とも話は出来るかな?』


『はい』


『まず、状況を教えてもらおうかな?』


俺たちは部活の帰り道土手下から聞こえた叫び声を聞いて女子高生を助けた話をした。

『で、君たちの怪我は?』


『あ、僕は頭を打ったのと打撲くらいですかね』

拓也が答える。


『きみは?』


『あ...えっと...』


僕はなんと答えていいのか分からない。

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