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淡雪

第6章 坂井 賢夢

俺はじっと固まった血の残った肘を見つめた。

『あの...四高のアイツらは?』


俺は警官を見た。


『捕まえたよ。

 ちょうど逃げてくるところに出くわしてな』


『そうですか』


『婦女暴行未遂と傷害かな?

 アイツらは初犯じゃないからそろそろ入ってもらうけどな』


『そうですね。そうしてください』


警官が俺に身を乗り出す。


『ただ、言っていることがおかしいんだ。

 婦女暴行までは君たちと話があっている

 ところが、怪我なんだが...


 君、ナイフで刺されてないか?』


俺の血の残る腕を見やる。


『ええ...それが...』


『現場も鑑識呼ぶほど血が残ってたんだよ』


そういって俺の腕を触る


『君に傷がないんだよな...』


俺は警官と一緒に首をかしげた。


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