齧りかけの林檎
第8章 ● 君の連絡先 ♂side
「ねぇ、ゆりさんちってどの辺?」
「んと、図書館から歩いて20分くらいかな」
「送っていっても、いい?」
「え、大丈夫だよ。子供じゃないし一人で帰れるよ」
「そういうことじゃなくて!
心配だから。
送ってってもいい?」
絶対一回は断ってくると思ってた。
さっきもそうだったし。
でもこんな時間に、一人で帰らせられるわけないでしょ。
それに少しでも一緒に居たいし、手を繋いでいたいから。
少し悩んでいるような横顔を見ながら、
家の中見てみたい、どんな部屋に住んでいるのか
すごく気になって妄想していた。
たぶん女の子らしい物がいっぱいある部屋なんだろうなぁ・・・。