齧りかけの林檎
第12章 ● 君とお鍋 ♂side
ゆりさんとの電話を切ると、
この後遊ぶ約束をしていたダチの一人に電話をかけた。
「もしもし瞬?今日やっぱ行けねぇわ」
「なに?女?
もしかして、この前の子と逢うとか?」
「まぁ、そんなとこ。じゃあ」
ダチとの電話を切って、
ダッシュで本屋まで向かった。
なんか最近、走ること多いな。
今まで付き合った女に会うのに、
こんなに走ったことなんてない。
あっても、デートで遅刻して
電話がかかってきて
ものすげぇ怒られた時だけだ。
こんなに楽しみで走ってしまうことなんて、
あるんだなぁ。