齧りかけの林檎
第12章 ● 君とお鍋 ♂side
「わたしもこっちがいいと思ってたんだ。
いっぱい大根使えるし!」
「大根消費の為におれに声かけてくれたんじゃないの?
じゃあおれいっぱい食べるね」
「ありがとう。
でも本当は、わたし、
あんま料理上手じゃないんだ。
ごめんね・・・」
そんなこと気にしない。
ゆりさんの作ったものが食べたいだけだよ。
「やっぱゆりさん、
料理できないんだー?」
「あー!また言った!
そうだけど、ひどいよー!」
ぽかぽかとおれを叩く、彼女。
全然痛くないけど、
痛い痛いって言いながら
二人で笑い合っていた。