齧りかけの林檎
第15章 ● 君の気持ち ♂side
朝の眩しい日差しは、
今日のおれにはキツイ。
「歩おはよっすー」
「おはようございます」
「なにー?機嫌でも悪い?
寝不足かー?」
部活の先輩に声をかけられたけれど、
いつもみたいに、元気に挨拶できなかった。
ぼーっとしていたのか
ゆりさんのことを考えていたのか、
部活中、左足首を少しだけ捻ってしまった。
ダッセェ・・・。
今まで彼女が出来たって
こんなことなんてなかったのに。
彼女と喧嘩したって、
こんなことなかったのに。
片思いしてる人のことを考えてて怪我とか、
おれ、かっこわる・・・。
こんなことで本当に
ゆりさんのこと、
守れるの?