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齧りかけの林檎

第15章 ● 君の気持ち ♂side




しばらく待っても

なにも応答はない。




何度もインターホンを押すのは躊躇われて、

軽くドアを叩いた。




ドンドンドン



「ゆりさん?」



ドンドン



「いないの?」





物音さえも聞こえない。




「おかしいな、いないのかな。

 日曜だから仕事じゃないと思うんだけどな」




それならこの袋はドアノブに掛けて、

メールでもしておこうかと思った時、

玄関のドアが少し開いて


「あの、歩くん・・・?」


そう言いながら、ゆりさんが顔を出した。




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