齧りかけの林檎
第15章 ● 君の気持ち ♂side
彼女は少し悩んだような顔をして
んー、んー、と
少し唸っている。
料理できないって言ってたから
自分の出来そうなメニューでも
考えているの?
おれは、ゆりさんが作ったものなら
なんだって食うよ。
「どっか食べに行く?
今うちには
インスタントラーメンくらいしかなくて」
どっか行くなんてやだ。
おれ、部活終わったまま来たから
ジャージのまんまだし。
ってか、ゆりさんのその格好
ずっと見てたいんだけど?
「じゃあ、ラーメンがいい!」
「わかった、ちょっと待っててね」