齧りかけの林檎
第15章 ● 君の気持ち ♂side
「ねぇ、ゆりさん、
キスしよっか?」
もうおれ、
そろそろ我慢の限界、なんですけど。
「やだー」
「おれのこと、すきって言ったじゃん」
おれにゆりさんの気持ちを見せてよ。
おれの腕の中で大人しくなる彼女。
おれに体を預けて、
少し寄りかかってくる。
「なんか急に甘えんぼになってない?」
もっと甘えていいよ。
おれだけになら、ね。
「ポカリ・・・」
「ん?」
「ポカリ飲みたい」
「ブハッ、ゆりさん
キャラ違いすぎるよ?」
おれの中の、ゆりさんのイメージが
どんどん変わっていく気がした。
もしかしておれに
合わせてくれているの?