齧りかけの林檎
第16章 ● 王子様な君 ♀side
彼は、両手をわたしのふとももの置くと
「体、冷えちゃったでしょ?」
って言って、
そのままふとももを手でスリスリしてきた。
冷たいキッチンの床にずっと座っていたから
体が冷えきってしまっていた。
でも、その行動がくすぐったくて、
恥ずかしくて、
顔が火照るように熱くなってきて、
歩くんの顔が見れなくなった。
「あったかいとこ、行く?」
あったかいとこ?
カーペットのとこかな。
今度ストーブ買ってこようかな。
わたししか部屋にいない時は
このモコモコの部屋着に
モコモコのロングの靴下とかを履くから、
カーペットでひざ掛けとか
掛けていればあったかかったけど。