テキストサイズ

齧りかけの林檎

第16章 ● 王子様な君 ♀side




「これ、会社の行事で着たやつなんだけど

 大きめのサイズだから

 歩くんでも着れると思うよ。

 これ着る?」




すると彼は、安心したように

ハァ・・・と息を吐いた。




「なんだ、元彼の服かと思って

 そんなのおれに着せるのって

 思っちゃった、ごめん」




彼はわたしを軽く抱きしめると、

片手で頭をなでなでしてくれた。




「あの、歩くん・・・?」


「ん?」


「昔つきあってた人の物は

 一切、家にはないから

 安心して、ください・・・」




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