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齧りかけの林檎

第18章 ● 君のために ♀side




何もすることがないわたしは、

物語の中に入るように

毎週、図書館で本を借りては、

仕事の後のプライベートな時間でも

お休みの日でも、

時間がある限り、本を読んでいた。



それなのに、あの日

本を返しに行った日、

休館日に歩くんに会った日から

一冊も小説は読んでいない。



それもあんなにかっこいい彼氏ができるなんて

小説よりも驚くことばかりが

自分の身に起こっていた。





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