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齧りかけの林檎

第2章 ● 真っ赤な君 ♂side




「じゃ、じゃあさ

 この傘ちょっと

 持っててもらっていい?」









白い傘を遠慮しながらも差し出してくる。







なにがしたいんだ?






でも彼女の望みだ。









その白い傘を受け取る。


















彼女はガサゴソと

いつも隣の席に置いていたリュックの中身を

探っているようだった。








「はいこれ、使って。

 いくら若くても濡れたままじゃ

 風邪ひいちゃうから」









すると女の子らしい、かわいいタオルを差し出してきた。














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