齧りかけの林檎
第1章 ● 真っ赤な君 ♀side
「わぁーーーっ!!!」
スッテーン!!!
目の前で高校生らしき男の子が転んだ。
バナナでも置いてあったのか?と思うほど
すごく綺麗に、
それも前に向かって転んだ。
うわぁ、痛そうだな・・・。
いつもだったら絶対にそんなことはしない。
よく人に話しかけられることはあっても、
人見知りのわたしは
自分から声をかけるなんて絶対にしない。
ナンパではなく、
なぜか話しかけられることが多いのだ。
年のわりに若く見える外見からかもしれないが、
老若男女、昔からの友達か?って程
気楽に話しかけられるからビックリする。
そんなわたしが、
目の前で思いっきりずっこけた男子高校生に対して