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祠の鬼

第2章 結論

そして、響にはひとつ気がかりな事もある。



図書室で会った、もうひとりの少女――ありさ。



「……どう考えても、俺みたいに無理矢理引っ張り込まれたんだろうな」



それもあるが、自分の名前をわざわざだし、今回の件に参加せざる負えない状況にわざわざ、追い込んだ雨野深理。



「結局、最初から参加するようになってたなら……考えるだけ無駄だったな」



沙夜に用件だけを簡潔に書いたメールを送った。



「ねえ兄さん、おれお腹空いたから早くごはん作ってよ。カフェオレ兄さんの作ったもの好きだし」

「あのな……いつになったら、お前は料理覚えるんだ」

「だって、兄さんのごはんおいしいんだもん。ね、カフェオレ」



有十がカフェオレに同意を求めると、カァっと短く返事をする。そして、有十の肩に飛び移り手をひらひらさせながら有十は、仕入れた本がある部屋から出ていった。



ごはんできたら呼んでね。それまで仮眠するから、とだけ言い残し。



今に始まった事でもなく、響は仕方なく夕食を作りにキッチンへと向かった。



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