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祠の鬼

第3章 当日、裏切り

響は本を片手に持ちながら、とりあえず読んだ内容を簡単に整理してみる。



・鬼は空想上の生き物

・【鬼】という言葉には、“強い”“悪い”“怖い”“ものすごい”という意味もある

・古くは、“おに”と読む以前に“もの”と読んでいた



「ここら辺は俺でも把握してる知識だな。まあ、もう少し読み進めてみるしかないか……」



備えあれば憂いなし。と、言ってもまったく役に立たなければ意味ないが。



響が欠伸をしながら歩いていると、尋暁が背後からひょっこり現れ覗き込む。



「鬼伝?あれ、響って空想上の生き物嫌いじゃなかった?」

「弟と一緒の事言うなよな。嫌いじゃない、読まないだけだ」

「ふーん。もしかして、昨日の子が原因?」



鋭いな、相変わらず。



響は隠す事でもないと考え、一連の話をした。



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