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祠の鬼

第3章 当日、裏切り

道中歩きながら話す内容じゃないかもしれないが、響は一秒でも時間が惜しかった。



これはあくまでも、自分の勘に過ぎないが――



嫌な予感がする。



巻き込まれた、だけならまだいい。



もしこれが、誰かの故意によるもので、偶然、じゃなかったら?



「響、電柱にぶつかる」



間一髪のとこで避け、響はほっとする。



「……大丈夫?できる事あれば、手伝うけど」

「ああ。でも、大丈夫だよありがとな尋暁」

「……」



絶対に、巻き込むわけにはいかない――尋暁を。そう強く誓い、響は笑みを作った。



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