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祠の鬼

第3章 当日、裏切り

響と尋暁よりもちょっと遅れて、ありさはとぼとぼ一人で登校していた。沙夜は今朝日直で早く学校に行ってるため、こうなるのは仕方がない。



むしろ、心のどこかで一緒に登校しなくて、ほっとしている自分もいる。



「……鬼……」



口から出てきたのはそんな言葉で、昨日全然寝つけなかった。



顔色は蒼白で、足取りも重い。



「……いるわけない、いるわけないよ」



ありさがそう呟いた時、後ろから声をかけられた。



「おはよう」

「……!」



思わずびくっと体が反応し、恐る恐る振り返ると深理がいた。



相変わらず目立つ綺麗な容姿。



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