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祠の鬼

第3章 当日、裏切り

「雨野くん……どうして?」

「花籠さんが歩いてるの、見えたから。顔色悪いね……大丈夫?」

「!いやっ」



突然、頬に触れられた手を振り払う。



はっと我に返る。今、一体自分は何をしたのだろう?ありさの顔色はさらに悪くなり、咄嗟に頭を下げた。



「ごめんなさいっ」

「気にしないで、大丈夫だから」



そう言って笑う深理の顔が、まともに見れない。



……どうしてだろう。



反射的に、振り払っちゃった……



ありさはますます困惑する。



意思と体が一致しない、それはまるで……






拒絶だ。






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