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祠の鬼

第4章 始まり始まり

有十は思いっきり深いため息を吐き、ソファでごろりと横になっていた。



「約束の時間ギリギリに断ったあげく、本はもういいとか……ありえないんだけど」



茶菓子に無駄な出費をした。



有十が本日何度目かわからないため息を吐いた時、カランカランと扉のベルが鳴る。



「来客……?」



ソファから体を起こし見に行くと、響と見慣れない少女がおずおずと挨拶をした。



「は、はじめまして……花籠ありさです」



……すごい気弱な子だな



有十はそんな事を思いつつ、感心したように言った。



「兄さんの彼女?なかなか可愛いし、よく似合ってるよ」

「バカ違う、隣のクラスの子だ。ごめんなありさ。これ弟の有十」



響はため息を吐く。



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