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祠の鬼

第4章 始まり始まり

兄をからかった後、思い出したように有十が言った。



「そうそう、今日約束してたのにギリギリで断るし、本はいらないって言われてさ。茶菓子までわざわざ買いに行ったのに、とんだ無駄足だよ。だから、兄さんと花籠さんで食べて。今お茶いれるから」



それを聞いた響が、思わず有十の腕を掴む。



「どうしたの?最近、兄さん変じゃない?」

「……変、か。さすがにわかるよな、仕方ない。お前に話すよ全部――ありさ、いいか?」



急に話を振られたありさは驚きつつも、小さく頷いた。



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