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祠の鬼

第4章 始まり始まり

リビングに通されたありさは響の隣に座り、程無くして有十がトレイに人数分のティーカップと茶菓子を運んできた。



「どうぞ花籠さん。紅茶でよかった?コーヒーとかハーブティーもあるけど」

「大丈夫です、ありがとうございます」

「年下に敬語はいらないって、ね?兄さん」



響が頷く。



「ああ、有十に敬語はいらないから。意外と頼りになるし、大丈夫だよありさ」

「意外とは余計だよ。それで?兄さんが急に鬼伝を読み出したり、花籠さん連れてきた理由、話してくれるんでしょ?」



有十に促され、響が一通り話す。



それをありさが神妙な顔つきで見守っていた。その間紅茶にも手をつけず、気がつけば、すっかり冷めていた。



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