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祠の鬼

第7章 空白を埋めるもの

切れた電話の向こう側で、ありさが小さくため息を吐く。



さすがに学園の前で待ち合わせする勇気はなく、学園に向かう道中にある小さな本屋でありさは雑誌を立ち読みしたりして、響を待っていた。



「どうしようかなあ……」



そう呟いた時、小さな違和感を感じた。






レジにいる店員以外に、誰もいないはず、だった。






…………誰の、何の、視線?






無意識に体がガタガタと震え始める。

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