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祠の鬼

第7章 空白を埋めるもの




鬼はいつでも傍にいる――



ぞくりと背中に一瞬、冷たいものが走る。



何か……何か、引っかかる……



響は頭に手をやり何かを必死に手繰り寄せようとするが、何も掴めない。



まるで、幻を追ってるような感覚。



「永津間くん?どうしたの……?」



心配そうなありさの顔にハッとし、響は微苦笑を浮かべる。



「大丈夫だ、早く行こう」

「う、うん……」



それ以上は何も言えずありさは曖昧に頷き、響の後を追う。



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