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アイドル様の、ホントのお顔

第2章 ~はじまり~

「さ、行きましょうか。 RENが待ってますよ。」

「はぁ…そうですか。」

この人も、あいつのわがままに付き合わされて大変だな…

「お尋ねしたいことがあるのですが…よろしいですか?」

「あ、はい。 なんですか?」

テレビ局に向かう途中の車の中で、運転しながら西さんが声をかけてきた。

「一体どこでRENと知り合ったんですか?」

あぁ…まあ、普通気になるよな。
俺、どう見ても一般人だし。

「この間、RENの握手会で…」

「行かれたのですか?」

そりゃあ、驚くよな。 RENの握手会に、男なんか行かないし…

「妹の付き添いで。」

「そうだったのですか。 驚いてしまってすみません。」

大丈夫ですよ。 普通、驚きますって。

「しかし…そうですか。 RENはあなたを…」

「???」

俺を……なんだ?

全然話が見えてこない。

「そろそろ着きますよ。」

もう着いたのか。 近いな。

「これ、首から下げて下さい。 関係者って示せるので。」

「あ、はい。」

西さんに渡された名札を下げ、後について行く。

初めてテレビ局に入ったな。

キョロキョロ周りを見回しながら歩いていると、控室の前で誰かとぶつかってしまった。

「す、すいませ…」

「どこ見て歩いてんだよ。」

「ぁ…」

聞き覚えのある声。

「気を付けろよな。」

「………が…」

「あ?」

まさか、こんなところで会うなんて…

「骸…さん…?」

「そうだけど…お前誰?」

ほ、本物だ!! 夢じゃないのか!?

「あ、俺…金本遼馬っていいます。 昔から、骸さんのファンで…」

「あぁ…そう。」

ファンだと聞いた瞬間、骸さんの目が冷たくなった。

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