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アイドル様の、ホントのお顔

第2章 ~はじまり~

「あ、あの…」

「なに。」

意外に怖いな。 テレビで見るのとは大違いだ。

「音楽をやっていてくれて、ありがとうございます。 これからも頑張って下さい。 骸さんの活躍、楽しみにしてます。」

それだけ言うと、骸さんに頭を下げ、西さんの所に戻った。

「すみません。 時間かけてしまって…」

「いえいえ。」

ただでさえ時間がないのに、迷惑をかけてしまったな。

「骸のファンなんですか?」

「えぇ…まぁ…」

今の俺があるのは、彼のおかげと言っても過言ではない。

「男性からの人気No.1ですからね。」

「RENは女性からの人気No.1じゃないですか。」

RENの女性からの人気は絶大だ。
毎日のように数千通のファンレターや、贈り物が届く……らしい。

「よくご存知ですね。」

「妹が毎日のように言ってましたから。」

毎日毎日…綾は、口を開けばRENの話しかしない。

「着きましたよ。」

西さんが足を止めた扉の横には、『REN様』と書かれた札が。

「REN、連れて来たぞ。」

「遅い。」

マッハで来たっての。 どこまで俺様なんだよ。

部屋に入るなり、不機嫌MAXのあいつを見て、心の中でそう呟いた。

「ちゃんと作ってきたんだろうな?」

「…あぁ…一応…」

おにぎりなんかでよかったのだろうか。

今更不安になってきた。

「こんなんしか作れなかったけど…」

作ってきたおにぎりをあいつに渡す。

「ふーん…おにぎりか。 具は?」

「おかか。」

天下のREN様は、おかかのおにぎりなんて食わないか。

「…………」

現に、黙り込んでるし。

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