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アイドル様の、ホントのお顔

第2章 ~はじまり~

「RENさん、おはようございます。」

「おはようございます。 今日はよろしくお願いします。」

「………」

ふーん…やっぱり、外面はいいのか。

「あの…」

「どうしました?」

笑顔でスタッフに挨拶しているあいつの後ろをついて行きながら、西さんに話しかけた。

「今からなんの収録なんですか?」

「あぁ…朝のニュース番組ですよ。」

朝のニュース番組?

だから、朝あんなに早かったのか。

「っていうか、俺みたいな一般人が見学なんかして大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよ。 後ろの方でじっとしていれば、特に問題はありませんから。」

そっか…ならいいか。

「今日のニュースには、あなたの好きな骸さんも出るみたいですよ。」

「本当ですか!?」

一日に二度も…それも、生で骸さんを見られるなんてラッキーだな。

「えぇ。 RENと同じで、新曲の宣伝をなさるみたいですよ。」

そうか。

そういえば、来週、骸さんのバンドの新曲が出るんだった。

「CDは買われるのですか?」

「はい。 そのつもりです。」

今までのCDはシングルはもちろん、アルバムも全部持ってるし。

「そうですか。 本当に骸さんのバンドがお好きなんですね。」

「まぁ…そうですね。」

「…………」

ん? なんだ?

「REN、どうかしたのか?」

「……?」

急に立ち止まったあいつ。

じっと俺を睨み付けてくる。

「なに?」

「……別に。」

「?」

なにか文句があるなら、言えばいいのに…

「おはようございます。 今日はよろしくお願いします。」

「……………」

不機嫌そうなあいつは、特に何か言うわけでもなく、そのままスタジオに入って行く。

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