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アイドル様の、ホントのお顔

第3章 ~REN~

「なってません。」

「照れなくてもいいんだぞ?」

こいつ、頭イッてるんじゃないのか?

一回病院に行って、脳のCTを撮ったもらった方がいいんじゃないか?

「絶っっっっっっ対になってない。」

「……ま、いい。」

全力で否定した俺に対して、あいつは余裕そうに笑った。

「俺を好きにならない奴は今までいなかったからな。

お前がどんな風に落ちてくるのか見るのが楽しみだ。」

「………………」

もう…意味がわからない。

完全に俺の許容範囲を超えている。

「おい、REN。 早く着替えろ。 次の撮影があるだろ。」

「はいはい。」

西さんに急かされて、あいつはようやく着替え始めた。

「…………」

先程もらった写真をちらっと見てみる。

「いい感じに撮れてるだろ。」

「…う…ん……?」

ぶっちゃけ、いいのか悪いのかわからない。

「そういえば、倉田さんが本気でモデルやってみないかって言ってたぞ?」

「…は?」

モデル……? 俺が…?

「俺が見ても、お前はモデルでやっていけると思う。 俺と並んで撮られても、負けず劣らずだしな。」

「…………」

今、何気に自分はカッコいいイケメンですアピールしたよな?

弱冠イラッとした。

「…んなわけないだろ。 俺なんて無理だって。」

もらった写真をズボンのポケットに突っ込み、それ以上何かを言われるのを避けるように衣装部屋を出た。

「あの…西さん…」

「どうしました?」

衣装部屋の外で待機していた西さんに声をかける。

さっきの視線を考えると、声をかけにくいのだが…

「俺、帰っても大丈夫ですか?」

「別に構いませんが…RENが許してくれないと思いますよ。」

ですよね…

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