テキストサイズ

アイドル様の、ホントのお顔

第3章 ~REN~

「「お疲れ様でしたー!!」」

「お疲れ様でした。」

で、そんな話をしていたら、あいつが着替えを終えて出てきてしまった。

「……なぁ…」

「ん?」

一応…ダメ元で聞いてみよう。

「俺、帰ってもいいか?」

「は? なんで?」

なんでと言われましても…

「いや…これ以上いても、邪魔しかしないだろうし…」

「………わかった。 一人で帰れるか? まだ仕事残ってるから、西に送らせてやれねぇけど。」

「ぇ…」

正直、驚いた。

絶対許してくれないと思っていたから。

「なんだよ?」

「あ、いや…」

わけわかんねぇ…こいつの考えてることとか、全然読めない。

「…大丈夫。」

「そうか。 俺、帰るの六時くらいだと思うから。

夕飯作っておけよ。」

「……わかった。」

よかった。

昼飯作って持って来いとか言われるかと思った。

「お前…今、俺が昼飯作って持って来いって言うと思ってただろ?」

「……………」

やば…図星で何も言い返せない。

っていうか、なんで俺の考えてることわかったんだよ。

「ったく、失礼な奴だな。 俺はそんなにわがままじゃねぇんだよ。」

いや…十分わがままだと思います。

朝早く叩き起こされたし、朝飯作らされて無理矢理ここまで連れて来られたし…

「…おい。 お前、俺のこと十分わがままだって思ってるだろ。」

「………あぁ。」

どうせ嘘ついてもバレるだろうから、正直に頷いた。

「迷わず頷くなよ。」

「…………じゃ、俺帰る。」

とりあえず、さっさと帰ろう。

西さんが俺を睨み付けているし。

「あ、そうだ。 夕飯はカレーで。」

「…わかった。」

ハンバーグの次はカレーかよ。

お前は子どもか。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ