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アイドル様の、ホントのお顔

第3章 ~REN~

「え…っと…じゃあ、失礼します。」

「はい。 お疲れ様でした。」

西さんに頭を下げ、建物を出た。

「…暑…」

外に出ると、一気に蒸し暑さが襲ってくる。

「つーか、ここどこだ?」

ヤバい。 ここがどこなのか聞いてくるのを忘れた。

「あれ? 遼馬?」

「!!」

辺りを散策しながらキョロキョロしていたら、後ろから声をかけられた。

「やっぱり、遼馬じゃん!!」

「隆…」

聞き慣れた声だと思ったら…

「お前、こんなとこでなにしてんの?」

「いや、別に…」

まさか、天下のREN様にこんなところまで連れて来られましたなんて言えないしな。

「お前こそなにやってんだよ?」

「俺? 買い出し。」

ちょうどよかった。 隆に道を聞けばいいか。

「あのさ、駅までの道わかるか?」

「駅? わかるけど…なに? お前、もしかして迷ったのか?」

「あぁ…まぁ…」

そういうことにしておこう。

「ははっ!! マジかよ!? お前、意外と抜けてるな!!」

「………」

はぁ…今更ながら、こいつに聞いたことを後悔してきた。

っていうか、携帯で調べればよかったな。

「俺もちょうど帰るところだったし、一緒に駅まで行こうぜ。」

「あぁ…悪いな。」

帰りにスーパーにでも寄って行くか。

「にしても、遼馬がこんなところにいるなんて珍しいな。」

「そうか?」

つーか、ここはどこだ。

「お前のことだから、家から出ないで勉強ばっかしてんのかと思ってた。」

「…まぁ…たまには息抜きでもしようかと。」

本当なら、そうしたいところだ。

「綾ちゃんは元気か?」

「あぁ。 相変わらず、RENの話ばっかりしてるよ。」

あ、ひとつ言っておくと、隆は綾に片思い中。

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