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アイドル様の、ホントのお顔

第3章 ~REN~

「じゃあ、飯にしようぜ。」

「…わかった。」

キッチンに入り、あいつと自分の分のカレーをよそう。

「…はい。」

リビングに戻ると、あいつは既にテーブルに座っていた。

「ちゃんとニンジン抜いたか?」

「…………入れた。」

「は?」

あ、やっぱり怒った。

「ニンジンは入れるなって、ちゃんと連絡したよな?」

「…大丈夫だって。 結構煮込んだし、ニンジンも細かく切ってあるから。」

不機嫌MAXのあいつ。

しかし、ニンジンが相当細かく切ってあるのを確認すると、渋々カレーを口に運んだ。

「………」

「………な? 大丈夫だろ?」

「…………あぁ。」

よかった。 味がなくなるまで煮込んだかいがあったな。

「……なぁ。」

「あ?」

呼びかけると、あいつはカレーを食べる手を止めて顔を上げた。

「お前、他に食えないものとかあんの?」

「あぁ…あるにはあるけど…」

「なに?」

明日からも飯を作らされるだろうし、あらかじめ嫌いな食べ物を知っておきたい。

その方がメニュー考えやすいし。

「ニンジンが嫌いってことは、もしかしてピーマンも食えないのか?」

「……………」

え? マジで?

今、冗談で言ったんだけど。

「マジか。」

「うるせぇ。 悪いかよ。」

なんか、こいつって…

「…………」

ほんと、子供みたいだ。

「ガキみたいだな。」

「あ? 誰がガキだ?」

お前だよ。

「米粒ついてるぞ。」

「!!」

俺の言葉に、慌ててティッシュで口元を拭くあいつ。

「な?」

「………うるせぇ。」

よほど恥ずかしかったのか、顔が赤い。

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