アイドル様の、ホントのお顔
第3章 ~REN~
「はぁ…」
ほんと、落ち着けるのは風呂に入ってる時くらいだ。
「まだ二日目か…」
夏休みはあと一ヶ月近く残っている。
今まで、夏休みは短いと感じていたが…
「長すぎる…」
こんな風に思う日がくるとは、想像もしてなかったな。
「結局、今日は何もできなかったな…」
今日みたいな調子でほぼ毎日振り回されるとしたら、ほとんど勉強できないよな…
「はぁ~…」
そんなんでいいのか? 受験生。
「夜に勉強するしかないか。」
さすがに、毎晩あんなことはしないだろうし、あいつが寝てから部屋に戻って勉強するしかないだろう。
「……そろそろ出るか。」
あんまり遅いと、あいつうるさいだろうし。
「ふぅ…」
「…遅かったな。」
やっぱり、文句言われたな。
「今日もゲームしようぜ。」
「あ、あぁ…」
今日もやるのか。
っていうか、なんで俺もいないといけないんだろう。
「おい、次どっちだ?」
「へ? あぁ…右。」
聞かれるから答えるけど、こういうゲームって、先がわからない方が面白いと思うんだけど…
「なぁ…」
「なんだよ。」
画面に食い入るあいつに声をかける。
「なんで俺、ここにいないといけないんだ?」
「は?」
攻略を聞くためだろうけど、それだけのためにいるって、結構暇。
「これの最新作、二人プレイできるんだけど…」
「そうなのか?」
知らなかったのかよ。