アイドル様の、ホントのお顔
第3章 ~REN~
「他の人気モデルとか差し置いて、一番目立ってるな。」
「…………」
朝、学校に来る時やけに視線を感じると思ったら…
「こういうことか…」
っていうか、なんで写真使われてんだよ!!
これもあいつが…
「!!」
なんて思っていたら、鳴り出した携帯。
表示を見ると『REN』の文字が。
「おい!! これ、どういうことだよ!!?」
『あぁ…もう見たのか。』
あぁ…じゃねぇよ!!
「なんでこの写真が使われてんだよ!!」
『仕方ないだろ。 倉田さんがこの写真気に入ったんだから。 この写真を使うって聞かなかったんだよ。』
倉田さん…? あのカメラマンさんか。
『飛ぶように雑誌も売れてるみたいだしな。 いきなり現れた謎のモデルに、世間も騒いでる。 雑誌もほとんど完売したらしい。 よかったな。』
「はぁ!!? なにがよかったんだよ!!」
よかったわけないだろ。 こんなの最悪だ。
『今日その雑誌の撮影があるんだけど、倉田さんがまたお前を撮りたいって言ってるから、お前も来い。 今、西に迎えに行かせてるから。』
「は…?」
また写真を撮る?
『あの人がスカウトするくらい、お前は気に入られてんだよ。 表紙の写真もすごい好評だったし、また二人で写真撮るんだろ。』
冗談じゃないぞ!!
「ふざけん…」
「金本様。 お迎えに上がりました。」
「!!」
その声に振り返れば、やっぱり西さんがいて…
『じゃ、そういうことだからよろしく。』
「あ!! おい!!」
そっちに気を取られていたら、あいつには電話を切られ…
「……では、参りましょうか。」
「…………」
これは…俺には拒否権がない感じですか?