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アイドル様の、ホントのお顔

第3章 ~REN~

「剛さん…」

どうして剛さんがここに…

「お疲れ様です。」

「おう。 お疲れ。」

「………」

剛さんを目の前にしたら、この間みたいに飛び上がるくらい喜ぶはずなんだけど…

「君も。 久しぶりだね。」

「…お久しぶりです。」

今は、それどころじゃない。

「RENが初めて現場に連れて来たから、仲がいいのかと思ってたんだけど…もしや、その逆?」

「……それは…」

「心配しないで下さい。 こいつがへそ曲げてるだけなんで。」

は? 全部俺のせいかよ。

「あ? 剛、なにしてんだ?」

そんなことをしていたら、3Gの他のメンバー…というか、骸さんが来てしまったわけで…

「ん? この間RENが連れて来た子がいたからさ。」

「!! お前、この前の…」

「あ、えっと…この間はお時間取らせてすみませんでした。」

骸さん…俺のこと覚えててくれたんだ。

「なに? 二人知り合い?」

「あ、いえ…以前、廊下でお会いして…ご挨拶させていただいただけです。」

ヤバい…めっちゃ嬉しい。

「ふーん…REN、ちょっと、この子借りるぞ。」

「え?」

「!? ちょ…」

そんなやり取りをすると、突然、剛さんに腕をつかまれた。

「お前、自分の写真まだ撮ってないだろ?」

「…撮ってませんが…」

「じゃ、その撮影終わるまでこの子借りるから。」

「え!? あのっ…」

そう言うが早いが、剛さんは混乱している俺を無視して、スタジオから連れ出した。

「ったく…」

そんな剛さんを見てため息をついた骸さんは、俺達の後についてきた。

「ここ、入って。」

「え、あの…」

「大丈夫大丈夫。 変なことしないから。」

いや、そういうことじゃなくてですね…

「ほら、早く。」

「ぁ…えっと…し、失礼します。」

結局、剛さんの押しに負けて、3Gの楽屋に入ってしまった。

「ん~…?」

「!!」

「なんだ。 まだ寝てたのか。」

楽屋に入った途端、眠そうな声が聞こえて…

「岳…さん…?」

それが岳さんのものだと気づくのに、時間はかからなかった。

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